動物病院TAC 院長より

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「動物病院TAC」の開院にあたって

 詩や文章に起承転結があるように、人生や生業にも起承転結があるようなら、私の生業の「起」は35歳の時、無一文からはじめた開業であり、「承」は分院や夜間病院の開設でしょうか。今回の開院は、CTを導入し、まさに趣きを「転」じたチャレンジであります。

 とは言うものの、大学や規模の大きい動物病院でのCT導入は珍しいことではありませんし、最近では個人病院での設置も活発です。CT無くしては正確な診断は勿論、術式の決定や予後などの総合判定が不可能と言っても過言ではありません。正確な診断や病態の把握なくしては手術をはじめ、より高度な医療提供はできないということを考えれば、今や小動物臨床においてのCTは必要不可欠な地位にあるのです。
 
 2018年のノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生が、10月1日の記者会見で、「(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割」と語り、自分の目で確かめ経験することの重要性を強調されたのが、(分かってはいるものの改めての)新鮮な衝撃でした。今の世の中、役に立つものやそうでないもの、かえって害となるものなど、情報が溢れかえっています。われわれの獣医業界でも同じです。新薬が寡年で発売されなくなったり、鳴り物入りで発表された研究がはったりものであることも珍しいことではありません。もしもすべての研究発表が有益無害であったのなら、われわれ臨床家の苦労はいまの10分の1になっている筈です。

 今回のCT導入は、より丁寧で真摯な診療を提供するため、又自らの知識と経験の向上のための強力な武器となることを確信しています。「知識」と「情報」、そして「経験」を日々精進して積み重ねることで、今後の10年間が私の人生の「結」の起爆剤となり、新たな発想の起点となることを信じています。

 私が宮崎市本郷北方に動物病院を開業した平成7年4月10日から、既に24年の歳月が過ぎようとしています。田圃の真ん中にぽつんとある、碌な看板もサインもない小さな病院に長い年月、ご来院頂き、感謝の念に堪えません。晴れて大通りに居を構えた恰好ですが、今後とも相変わらずのご利用をお願いします。
 
 2018年11月吉日  院長 田原 秀樹


 

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