動物病院TAC 院長より

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2022年謹賀新年

2022年あけましておめでとうございます。2021年も厄介者の新型コロナ禍にもかかわらず御来院いただき、ありがとうございました。

▲令和が始まって4年目に入りました。2021年の日日の半分はマスク生活でした。息苦しさに慣れはしても、なんとなくもやもやした心境の山紫水明はいつ戻るのでしょうか。
▲2年前の正月2日、日向市で還暦同窓会が催され、電車で往復しました。その7月には2020・東京オリンピックが開催される予定でしたが、同窓会から3か月もしないうちに新型コロナ感染がじわじわと全国に拡大し、オリンピックは延期されました。感染拡大は第5波を数え、今はオミクロン株の席巻に戦々恐々としています。2年前、誰がこの状況を想像し得たでしょうか。
 
▲そうは言うものの悪いことばかりじゃありません。私たちの小動物業界では、コロナ禍の巣籠需要により不幸な犬猫の里親が増えました。また全国民ひとり当り10万円給付と相まって空前に近いペットブームが起こりました。このブームは子犬と子猫の高額化を生み、さらに巣籠による衝動買い的な側面をもっていることも否めません。飼育放棄など今後の禍根とならぬことを祈ります。
▲さらに犬猫のワクチンの接種率が増加しました。ヒトの新型コロナの感染防御におけるワクチン接種の威力(予防効果)に触発されたものでしょう。ワクチンの功罪の罪は副作用ですが、発熱などの軽い副作用を訴える数はかなり減少したように思います。これは副作用そのものが減った訳ではなく、軽度であれば、飼い主は「ワクチンには副作用が付き物だ」と考え方るようになったのでしょう。
 
▲問題は新型コロナ感染症だけではありません。小動物獣医療に限らず多くの業種で様々な困難に面しています。そのなかで最も大きな問題は労働環境です。「働き方改革」による労働時間や残業時間の制約などがそれです。獣医療は人医や農業、介護業界などと同様、周辺の機械やロボットがいくら進歩しても手間と時間の削減には限界があります。
▲2020年の国勢調査の発表では、5年前の前回に比べて日本人の生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)が226万6232人も減少しています。その減数をカバーしているのが65歳以上の日本人であり外国人労働者です。2016年の日本への新規の移民数は先進国で4番目であり、42万7600人に上ります。現在の外国人移民総数は約280万人に及んでいます。たとえば宮崎県の20〜30代の漁業従事者の4人に1人は外国人技能実習生だそうです。野菜も延縄マグロも一本釣カツオも外国人の労力なくして日本人の口には入らないのです。

▲そこへきて日本国政府は主婦(配偶者)への所得控除を設け、働く時間的余裕もあり労働意欲があるにもかかわらず、どういうわけか所得制限を課しています。平成30年、配偶者控除・配偶者特別控除の見直し(改正)が行われ、38万円の控除が受けられる年収要件が103万円以下(俗に言われる「103万円の壁」)から150万円以下に拡大されました。しかしこの改正で新たに「130万円の壁」が作られました。年収が130万円以下の妻は、国民年金の第3号被保険者となり、年金保険料を自身で負担しなくて良いという内容です。時給アップの企業努力を求め、一方で「男女平等参画」と謳いながら配偶者の所得制限を緩和しない政府の施策はちぐはぐそのものです。大幅に時給を上げようものなら肝心の労働時間は今よりも減るのです。

▲ながながと御託と愚痴をならべてみましたが、自分の非力を人の所為にしたところで発展は生まれません。小さな鍋釜で蕎麦を茹でても美味くはありません。器を大きくしなければ万事上手く捗らないということでしょう。

私も残りの平均健康寿命は約10年です。退廃する能力に無謀に抗うことなく、若いスタッフの力を借りながら日々の診療に真摯に向き合おうと考えています。
何はさておき2022年が新型コロナ感染の終息(収束)の年になることがいちばんです。
そして本年が皆様と愛犬愛猫にとって無病息災で幸せであることを祈ります。


2022年1月1日   動物病院TAC院長 田原秀樹


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