今日の親仁(オヤジ)ギャグ

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今週の親仁ギャグ・2020年9月20日(日)〜9月26日(土)

●「城の崎にて-中篇-

主人先生「そうじゃな一昨年の6月の暑い日じゃったな。福岡まで飛行機で、それから岡山まで新幹線で、伯備線を乗り継いで米子へ、そこでレンタカーを借りて日本海側を延々と東進して豊岡市で車を返し、そして城崎温泉に辿り着いたのじゃった。志賀直哉(1883〜1971)はな、1913年というから大正2年じゃな、その8月15日に山手線の電車にはねられ重傷を負って、その養生のためにその年の10月に城崎を訪れたのじゃ。その電車事故でもしかしたら自分は死んでいたかもしれないとの思いを蜂や鼠やイモリに重ねたのじゃな。このような表現形式のものを『心境小説』というらしいな。白樺派の特徴らしいが」

二太郎「主人先生は蜂を蟻と記憶しておったということわん?」

主人先生「そうなんじゃよ、所詮蟻も蜂もどっちでもいいじゃないですか・・・・・・という意見もあろうがな、そうじゃないんじゃな。問題の根本はな、作者(志賀直哉)が感じていることや伝えたいことを理解できずに只ぼんやりと流し読みしたということじゃな。吾輩の精神構造的な未熟さなんじゃよ。悲しい哉。『城の崎にて』はな、新潮文庫なんじゃが、そのほかに『小僧の神様』や『流行感冒』という短編ものもあるんじゃ。その『流行感冒』という小説はな、実は1919年の発表なんじゃ。二太郎よ、1919年と云えば何かピンとこないかい?」

二太郎「そりゃ犬の分際の二太郎君にしても答えられますわん。日本でも国民を震え上がらせたスペイン風邪が流行った年でしょう? たしか1918年8月から1919年7月の第1波から1920年8月から1921年7月の第3波まで流行したわん。『流行感冒』の作品は1919年4月に『白樺』に発表したものですから、小説の内容は第1波の時のものですわん。第1波の死者数は26万弱、第2波で13万弱、第3波が4千弱ですから、40万人に迫ろうかと云う数字でしたわん」

主人先生「流石は二太郎君じゃな。ワン公にはインフルエンザは感染しないからの、そして新型コロナも感染の感受性や病原性が弱いから比較的のんびりじゃな。人間様はこれからどのくらいのスパンで巣籠りかと戦々恐々じゃな。『流行感冒』じゃな、主人(志賀直哉自身)が植木屋から感染すると妻も娘も、そして奉公の女中さんや看護婦さん達にも拡大したことが書かれているんだな。幸い小説のなかでは死人はなかったがな。なにせ家中の者が感染しないように気を配ったことが分かるんだな。そう云えばこのスペイン風邪を機にマスクが定着したと言っても過言ではないんじゃな。マスクは明治になって主に防塵の用途で使用され始めたのじゃが、感染症対策としての普及は1919年のスペイン風邪流行がきっかけなのじゃ。このスペイン風邪による世界の死者は、ふたつの大戦のそれぞれの死者数である5千万人に匹敵すると言われているからな、日本での40万人弱という数字(致死率)は低い方じゃ。日本人の衛生観念の高いことは今始まったことじゃないんじゃな」

二太郎「なるほどわん、今回の新型コロナの感染数や死者数が少ないのは、やはり遺伝子(DNA)のように脈々と受け継がれていると云うことですか? ところで今回のわんにゃん問答の主題はいったい何でしたかわん?」

つづく。9月25日。


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今週の親仁ギャグ・2020年9月13日(日)〜9月19日(土)

●「城の崎にて-前篇-

▼人間の記憶というものほど信用の置けないいい加減なものはないようです。読書の秋・・・・・・書棚に目を凝らしながら一体自分は、自分が読んだ本の内容をどのくらい覚えているのかと思い起こすのですが、主人公の名前も出てこないし、何が名作たる所以なのか・・・・・・などなど忘却の彼方であるものの何と多いことであろうか。年を取った所為もあろうけれども素直にその事実を受け入れていいものやら。

二太郎「主人先生よ、明日は敬老の日じゃありませんか? 田舎の爺ちゃん婆ちゃんになにかプレゼントでもしましたかわん?」

主人先生「そうじゃ昨日からシルバーウイークじゃったの。吾輩は年中無休なんでな、ついつい国民の祝日とやらを忘れがちじゃな。それはそうとな、吾輩が小学校の頃はな、60歳を過ぎるとな、皆村の公民館に集まってお祝い事があるんじゃな。焼酎のミニカップに折詰に紅白まんじゅうが定番じゃった記憶があるな。だから吾輩の祖母はそれを楽しみにしとったぞよ。 (爺さまは臍曲がりの偏屈じゃたからの、死ぬまで参加しなかったがな。)半世紀前のことじゃが、当時の還暦は年寄扱いじゃなくて、じっさい年寄だったのじゃ」

二太郎「そうれじゃ、今60歳の主人先生も半世紀まえなら敬老の日の祝賀の小宴に招待されていたわん?」

主人先生「そういうことだな、うちのスタッフも少しは年寄扱いをしてくれればいいのじゃが、静かに進行する老化現象に冷淡じゃな。こき使われとるわい」

二太郎「そうですか? 近ごろはあまり1階に居る時間が長くないような気がしますわん? ところで主人先生よ、最近はまたまた読書の時間が増えたようですが、どうかしたわん?」

主人先生「そうだな、秋の夜長に新型コロナの巣ごもりじゃからな、時間をもてあましておるからの。自然というか必然じゃろうが読書しか時間を潰せないからの。それがじゃな、この年になって新しいものに挑戦するのも億劫でな。それはな長編を途中で投げ出すのも、これこそ時間の浪費のなにものでもないからな。それでな過去に読んだ本を再読しようと思ったいるのじゃな。ところがじゃな困ったことに線まで引いた形跡があるのにじゃな、内容をほぼ覚えていないから悲しいよな」

二太郎「それこそ昔の敬老会の会員じゃないですか? 具体例はありますわん?」

主人先生「例えばじゃな、文化勲章作家じゃからな当然の文豪先生じゃがな、志賀直哉と云う小説家の作品にな、『城の崎にて』なる名作があるんじゃがな、その中に登場する3種の動物がおるんじゃ。蜂と鼠とイモリなのじゃがな、蟻じゃったかなにじゃったか、すっかり忘れていたからな、これは吾輩にとっては随分の衝撃じゃった。悲しくなったぞな、二太郎君よ」

二太郎「主人先生は2年前の6月に細君と城崎温泉に旅したんじゃないですか?」

つづく。9月19日。


固定リンク | 2020年09月13日【677】

今週の親仁ギャグ・2020年9月6日(日)〜9月12日(土)

●「犬猫の台風被害
▼台風10号が宮崎市に最も接近したのは9月6日の夜9時か10時頃でしょうか。気象庁の「命を守る行動」会見が行われた日から、「家の犬を・・・・・・猫を預かってくれないか」との電話が数件ありました。実際に預かったのは犬が1頭、猫が2頭でしたが、台風襲来でこのような依頼があったのは開院以来、はじめてのことでした。理由は家人の避難と建物倒壊の恐れからです。

金之助「主人先生よ、6日は午前中の診療だったようで。ホテルの犬猫も来ていたようで・・・・・・慌ただしい様子でしたが、いったい何があったのにゃん?」

主人先生「そうなんだよ、5時か6時頃には宮崎も暴風域に入りそうだったし、予定の手術もあったしな。それに窓ガラスには段ボールを貼り付け、内からバリケード(診察台など)も置かんとな。それにエコーなど高額な機器は安全な場所に移動させたんじゃ。もちろん犬も猫も窓のない通路などに入院ケージをしてな。そうやこうやでスタッフの昼食は家でしてもらうことにして、早退してもらったのじゃ。スタッフあっての病院じゃからの」

金之助「それから主人先生よ、近ごろ何やらごちゃごちゃした図面を壁に貼り付けて睨めっこしている時があるにゃんが、ありゃ何しとるにゃん?」

主人先生「あれはな、自然災害時のハザードマップと言ってな、例えば南海地震時の津波の予想到達地域やその深さじゃな。今度のような台風の水害にどこまで応用できるかは分らんがな、大淀川の決壊や越水などによる浸水には参考になるようじゃな」

金之助「そうであるにゃんか? 病院の北側50メートル先を流れる八重川は氾濫せんにゃん? 怖いにゃん」

主人先生「そうだな、未曾有の大型台風襲来となると誰もが絶対と云うことはないがな、市内の小さな河川は底を掘り下げたりコンクリートで土手を固めたりと護岸工事が進んでいるんじゃな。それに小さな河川はな、降雨が激しくても範囲が限られているから水位が急激に増す可能性は大きくないのじゃな。そうは言っても油断と早合点は禁物じゃ。気圧が920hPaじゃったり、大潮の満潮と重なったり、大淀川が氾濫危険水位に到達するようなら、八重川だって越水する可能性もあるからな」

金之助「そうにゃんそうにゃん、何事も備えあっての憂いなしにゃん」

主人先生「なんだか金之助に防災対策を諭されいるようじゃな。今はな国交省の河川水位情報がほぼリアルタイムでネットに掲がるしな。大事なことは色んな情報ツールにアンテナを張って『自分の命は自身で守る』という意識じゃな。金之助よ、なんじゃその不信が顔つきは? 心配するな、金之助も二太郎も梅太郎の『命』もちゃんと守ってやるからな。台風の夜は風の音で怖いだろうが心配無用じゃ、君たちはゆったりぐっすり眠って構わんからな。じゃがな台風の時は地獲れのキハダはないぞ、漁師さんが漁に出られんからな。そればっかしは台風一過までお預けの我慢じゃな」

重陽の節句の、9月9日。


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