トピックス
「今週の症例」・その25&26
症例25
13歳 雑種猫
嘔吐を主訴に来院。初めの症状は数日に1回の嘔吐と食欲減退で、血液検査でも異常が見つからなかった。胃酸分泌抑制薬や制吐薬、処方食で一時症状は軽減したものの次第に嘔吐の頻度が1日4-5回まで増加。超音波検査で胃壁の肥厚を認め、麻酔下の細胞診(針を刺して細胞を採り細胞を調べる検査)でリンパ腫(B細胞)と診断された。抗がん剤治療を行い、一時は胃壁の厚さも正常に近づき、嘔吐もほとんどなくなって食欲もあったが、抗がん剤治療開始3ヶ月に抗がん剤を投与してもコントロールできなくなり、亡くなった。
症例26
7歳 雑種猫
嘔吐と食欲不振を主訴に来院。バリウム造影を行い、胃から十二指腸への通過障害を認めた。精査のためにCT検査を実施。CT検査では胃の幽門から十二指腸にかけて腫瘤病変が見られ、周囲のリンパ節が腫大していることも分かった。内視鏡検査にて胃の生検(組織の一部を取り細胞を調べる検査)を行い、リンパ腫(B細胞)と診断された。飼い主様は抗がん剤治療を希望しなかった。
症例25 抗がん剤治療前の超音波検査 胃壁の肥厚が認められる
症例25 抗がん剤治療中の超音波検査 胃壁の肥厚が改善している
症例26 CT検査 幽門の腫瘤病変が認められる
症例26 CT検査 十二指腸の腫瘤病変が認める
2021年02月26日【448】
最近の記事
- 「今週の症例」・ その28
- 「今週の症例」・ その27
- 「今週の症例」・その25&26
- 「今週のCT症例」番外編・内視鏡
- 「今週のCT症例」・その24
- 2020年6月1日、改正動物愛護法施行
- 犬猫の新型コロナウイルス(Covid-19)感染の最新情報:世界で7事例
- 「今週のCT症例」・その23
- 「今週のCT症例」・その22
- 「今週のCT症例」・その21
- 歯周病見て見ぬ振りしていませんか?
- 第16回日本獣医内科学アカデミー学術大会(JCVIM2020)に参加してきました
- 「今週のCT症例」・その20
- 「今週のCT症例」・その19
- 「今週のCT症例」・その18
- 「今週のCT症例」・その17
- 「今週のCT症例」・その16
- 「今週のCT症例」・その15
- 「今週のCT症例」・その14
- 「今週のCT症例」・その13