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「今週のCT症例」・その14
症例14 8歳 マルチーズ
交通事故に遭い、骨盤骨折。
レントゲン検査で診断することはできるが、手術に向けて仙椎の骨折の評価など、より詳細なデータを得るためCT検査を実施。
CT検査では仙椎の骨折が確認され、複雑に骨折した骨盤の状況が確認できた。
本症例は骨盤腔狭窄が認められたため、ラグスクリューによる左仙腸関節脱臼整復と左右腸骨稜間にボルトを入れて骨盤尾側の内腔を拡張させる処置を実施した。
右恥骨から坐骨にかけての骨折は、上記の手術で骨折端の距離の短縮が認められた為、その整復は実施しなかった。
また直検にて十分な骨盤内腔の拡張も確認できた。
術前から認められていた麻痺(肛門反射消失)も術後、徐々に改善され尻尾も振るようになった。尿失禁も排便も改善し、自力で起立可能なまで回復している。現在もリハビリ継続中である。
(術後約40日では、排尿排便は正常、歩行も可能になった。)
CT検査のデータは飼い主様へ説明しやすいように3Dのデータを作成することもできます。
左仙腸関節の脱臼(骨折)のほか、骨盤に多カ所の骨折を認める。
赤矢印:仙椎骨折(正中よりも右側)。 青矢印:左仙腸関節脱臼。
ラグスクリューによる左仙腸関節脱臼整復と左右腸骨稜間にボルトを入れて骨盤尾側の内腔を拡張させる処置を実施した。 右恥骨から坐骨にかけての骨折は、上記の手術で骨折端の距離の短縮が認められた為、その整復は実施しなかった。
2019年11月13日【431】
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