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セミナー参加

 2017年12月7日〜8日、名古屋で開催されたDePuy Synthes TPLO SEMINAR 2017に藤が参加しました。このセミナーでは前十字靭帯断裂に対する外科的手術である「脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)」という方法を学んできました。

 前十字靱帯は膝の中にある靱帯で、体重がかかった時に大腿骨に対して脛骨が前方に飛び出さないように制御する働きをもち、後十字靱帯と共に膝関節の屈伸及び進展に寄与しています。犬の場合は前十字靱帯は年齢と共に変性すると言われており、激しい外傷が加わらなくても断裂してしまう場合が多くみられます。症状は跛行で、足を地面に付けずにあげてしまうような場合や地面に着くことはできるが体重がかけられない場合があります。以前は大型犬で認められる病気と言われていましたが、最近では小型犬での発生例が増加しています。そのままにしておくと慢性的な関節炎や変形性骨関節症を引き起こします。
 治療方法は体重や個体の運動量によって保存療法や外科手術となるため、跛行が見られるような場合にはご相談ください。外科手術も今回のセミナーの方法のほかにさまざまな方法があります。

固定リンク | 2017年12月15日【387】

蝮の咬傷

今年7月兵庫県で「ヤマカガシ」というヘビに噛まれた小学生が一時重体というニュースが話題になっていましたが、宮崎でも散歩中にヘビを見かけたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今回は意外と身近に潜んでいる「マムシの咬傷」についてです。

マムシはクサリヘビ科マムシ属、全長50〜60cm程度で平地や山地の森林や薮、水田や小さな川周辺など身近に生息しています。頬にはピット器官という赤外線を感知する器官を持つため、瞬時に正確に咬みつくことができ、毒牙から毒液を注入します。

メスの妊娠期間である6月から10月は、非常に食欲旺盛でとても神経質なため咬傷事故もこの時期に頻発します。マムシの毒は様々な成分が含まれていますが、血液毒が主体で神経毒はわずかなため致死率はそれほど高くないと言われます。しかし、血管や筋肉を破壊するため激しい痛みを伴います。ヘビ毒の酵素活性により牙痕周囲の皮膚が広範囲に壊死し、その影響は2〜5日間続きます。動物の場合には口周りもしくは四肢を咬まれる症例がほとんどで、牙痕周辺が腫れて気づくことも多いです。

人では抗毒素血清を使用できますが、獣医療での利用は難しく、ショックに対する処置や急性腎不全などの合併症、出血のコントロールを実施します。急性期を脱することができれば広範囲の皮膚壊死に対する処置が必要になります。

まずは咬まれないようにすることが1番です。意外と身近な草むらや藪にも生息しているため、散歩中などむやみに近付かないように注意してください。万一咬まれてしまった場合には、お近くの動物病院へすぐにご相談ください。


固定リンク | 2017年09月11日【385】

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意

 今週初め(7月25日付全国紙)、「厚生労働省は24日、西日本の50代の女性が昨年夏、野良ネコにかまれた後、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、死亡していたと発表した。」(毎日新聞記事全文は下記)というニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。報道されているように動物から人への感染は世界でも初めての事例であり、厚生労働省が注意を呼びかけています。

 これまでの調査でもイノシシ、シカ、アライグマ、イヌなど多くの動物でSFTSウイルス抗体保有の報告はありましたが、動物での発症報告はありませんでした。しかし今年に入り、イヌとネコで各1頭ずつ発症例が報告され、ウイルス学的検査においてもSFTSを発症したと証明されています。

 症例数が少ないため明確な症状や診断基準等は定められていませんが、発熱や血球減少、血小板減少、食欲消失などの人同様の症状が認められるようです。感染動物の血液や糞尿、体液を含めてウイルスが含まれると考えられているため、このような症状が認められる動物の取り扱いには注意が必要です。

 また、SFTSに感染した犬、猫から人への感染だけでなく、これまで同様、ウイルスを保有する「マダニ」に人が直接咬まれての感染にも注意が必要です。イヌ、ネコへの感染だけでなく、人への感染を防ぐためにも、イヌ、ネコのマダニ予防が重要です。マダニ予防薬は様々なタイプがありますので、獣医師へご相談ください。適切な予防薬は獣医師の処方が必要になります。

 詳しくは厚生労働省の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&Aも更新されていますので、参考にしてください。

 2017年7月27日現在の情報です。今後SFTSの情報は更新される可能性があります。

文責:藤 由香


 以下、毎日新聞の記事です。

[野良猫通じ感染 死亡 50代女性 マダニ媒介ウイルス]
 「厚生労働省は24日、西日本の50代の女性が昨年夏、野良ネコにかまれた後、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、死亡していたと発表した。動物によってSFTSが人に感染したとみられる事例が判明したのは初めて。同省は都道府県や獣医師らに体調不良のペットなどに接触する際は感染に注意するよう通知を出した。

 厚労省によると、女性は、衰弱した野良ネコを動物病院に連れて行った際に手をかまれ、約10日後に死亡した。女性にマダニにかまれた形跡はなかったが、SFTSの症状に似ていたため国立感染症研究所で分析したところ、感染が確認された。ネコにもSFTSの症状があったといい、ネコがマダニにかまれて発症し女性にうつしたとみられる。

 これまで動物がSFTSウイルスに感染してもほとんど発症しないため、人にうつすことはないと考えられてきた。しかし、今年に入りペットのネコやイヌで発症した事例を確認。飼い主は感染していなかったが、同省はペットにダニの駆除剤を使うよう注意喚起が必要と判断した。媒介するマダニは屋外にしかいないため、屋内でのみ飼育しているペットは感染しない。

 同省の担当者は「元気なイヌ、ネコから感染することはなく、動物から感染するケースは非常にまれ。ペットが体調不良になった際は念のため動物病院で診察してもらい、獣医師の指示に従ってほしい」と話している。

[重症熱性血小板減少症候群(SFTS)]
 SFTSウイルスによる感染症で、6日〜2週間の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐(おうと)、下血などの症状が出る。中国や韓国でも患者が確認され、致死率は6〜30%。国内では初めて患者が確認された2013年1月以降、西日本を中心に266人の患者が報告され、うち57人が死亡。死亡例はすべて50代以上で、高齢者が重症化しやすいと考えられている。シカやイノシシなどからもウイルスに感染していたことを示す抗体が検出されている。」


固定リンク | 2017年07月27日【384】

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