トピックス

最近の記事

「今週のCT症例」・その7

症例 4歳 雑種猫 猫白血病ウイルス陽性
来院1週間前より元気がなくなり、お腹に固いものができているとの主訴で来院。
レントゲン検査およびエコー検査を実施したところ、上腹部に直径約6.5cm大の巨大な腫瘤と胸腔内にも腫瘤を認めた。
後日精査するためにCT検査およびFNA検査を実施し、消化管型リンパ腫と診断できた。胸腔内の腫瘤は胸骨リンパ節の腫大と考えられ、その他のリンパ節も多数腫大していることが分かった。現在、化学療法を実施中である。治療後1週間の腫瘤は、腹部触診では殆ど触知できないまで縮小し、生活の質は向上している。
今回の症例は猫白血病ウイルスに関連するリンパ腫の可能性が高い。猫白血病ウイルスに感染していると免疫不全、重度の血球減少症、リンパ・造血系腫瘍などを発症することがある。感染猫の中には生涯発症せずにウイルスキャリアとして過ごしている個体もある。感染している猫の唾液や血液を介して感染したり、母子感染で猫白血病ウイルスは感染するため、外に出さないことや飼い始めにはウイルスの検査を実施することが重要である。


固定リンク | 2019年06月29日【422】

NHK総合『ネット動画最前線』・「マムシに噛まれたラッキー」で、院長のコメントが放送されました。

以前、NHK本局から電話取材を受けたことを紹介しましたが、ようやく放送されました。ネットで検索すれば、いつでも見ることができます。以下の文章は、その取材のために準備していたものです。参考になれば幸いです。

1.犬が人よりも比較的にマムシ毒に強い理由
▼まず最初に、「マムシに咬まれてたら、人間は死ぬ」と怖がられていますが、咬まれた人全員が死亡する訳ではありません。実際は年間2000〜3000例の咬傷被害があるそうで、うち死亡するのは10人程度ということです。100人に2〜3人の確率ですから、やはり怖いことに変わりはありません。
▼一般に「犬はマムシに咬まれても死なない」と言われます。私も年に1〜2例のマムシ咬傷を経験しますが、マムシに咬まれて死んだ症例は1例もありません。
▼これはマムシだけに限ったことではないと考えられているのですが、スズメバチやムカデの毒にも言えることです。犬は(猫もですが)平熱が38〜39度と、人間よりも2〜3度も高めです。なおかつマムシに咬まれた直後には興奮してもう少し(1度くらい)上がっていることが予想されます。この2〜3度が重要と考えられます。マムシ毒には主なものとして10種類近くありますが、その多くは咬まれた犬の組織内で活性化されるたんぱく分解などの酵素と、神経症状誘発や出血傾向を促進する毒素があります。これらの酵素などの活性化で、局所の腫脹や組織の壊死、出血などの症状が誘発されます。マムシは自ら攻撃することはほとんどないと考えられています。犬が草むらなどで臭い嗅ぎや、排泄をしているときに傍にいるマムシを刺激して咬まれるのですが、咬まれる場所は決まって鼻先をはじめとした顔面と、足先です。話が戻りますが、犬がマムシ毒に強い理由は、これらの酵素活性が体温の影響を強く受けることから、体温が人より2〜3度高い犬の場合、酵素の活性が低くなり、症状が人よりも軽いということのようです。

2.なぜこの柴犬は助かったのか
▼顔面の腫脹は顕著ですが、通常のマムシの咬傷ではこの程度は腫れます。この柴犬が腫れがとくに余程ひどいというのではありませんから、助かったのでしょう。このような犬が来院したら、我々は抗生剤や消炎剤、止血剤などを投与します。少しぐったりしているようなら静脈点滴や、抗ショックの目的でステロイド剤の投与を検討します。病院に行くことなく自然治癒している犬も少なくないと考えられます。
▼抗血清の話ですが、我々は使用しません。使わなくても死ぬことはないからです。人ではウマの抗血清を投与する場合があります。しかしこの使用に関しても議論がないわけではないようです。ウマの抗血清を投与すると、そのウマの蛋白に対しての抗体が人の体内で作られます。このウマに対する抗体が問題で、同じ人が再度マムシに咬まれるとアナフィラキシーショックを起こすということです。一度マムシに咬まれるとマムシ毒に対する抗体が作られるので、2度目には症状が軽くなることが多いそうです。われわれの経験でも2度目に咬まれた犬の症状は1度目に比べて軽いようです。



固定リンク | 2019年06月14日【420】

「今週のCT症例」・その6

症例 6歳 雑種猫
排尿、排便障害を主訴に受診。他の動物病院にて子宮の腫瘍を疑われたとのことでセカンドオピニオン希望。
レントゲン検査及びエコー検査にて下腹部に巨大な腫瘤を認める。CT検査にて骨盤腔内を占拠する腫瘤が確認され、消化管の腫瘍が疑われた。
腫瘤はかなり大きく、尿道や大腸を圧迫しているため排尿、排便障害が起きていると考えられた。
CT検査の結果を元に細胞診を実施したところ「リンパ腫」が疑われた。
リンパ腫の治療法は抗がん剤による化学療法が第一選択となる。

固定リンク | 2019年06月04日【416】

[1]    «    1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7    »    [118]

- 管理用 -

最近の記事

月別記事