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健康診断に骨格系のレントゲン撮影をお奨めします。

  ヒトでのナウい健康診断と云えば、血中コレステロールや中性脂肪濃度・血糖値、皮下・内臓脂肪量などメタボリック症候群に関連する項目のチェックでしょうか?。胃や大腸の内視鏡も心配です。CT(computed tomography)やMRI(magnetic resonance imaging)による脳ドック、PET(positoron emission tomography)による全身癌検診も気になります。東京有明にある癌研有明病院の全身癌ドック(dock)は1泊2日のコースで、その費用は30万円です。

  
  ペットの健康診断はどこまでやれば良いのか、気になるところです。今までの健康診断は身体検査と血液検査、超音波検査、尿検査が主体でした。それ以上に突っ込んだ検査項目を推奨している機関や学者もいないようです。東京の動物病院では健診にCTを行っている所もあると聞きますが、動物では全身麻酔が必要なため、これには賛否が分かれるでしょう。

   
  毎日の診療で最近急激に増加している症例が脊椎の変形性脊椎症(spondylosis deformans)や椎間板ヘルニア(intervertebral disk protrusion)、椎間板・脊椎炎(discospondylitis)、関節(特に股関節や肘関節、膝関節)の変形性骨関節疾患(DJD=degenerative joint disease、osteo-arthrosis deformans)や骨関節炎(osteoarthritis)などの骨格系の疾患です。椎間板ヘルニアや変形性脊椎症は、場合によると生死に係わってくる病気です。変形性骨関節疾患や骨関節炎も寝たきりを余儀なくされることも少なくありません。これらの病気は散歩や運動を嫌がるなどの傾向はあるものの、前兆なく突発することがほとんどです。きっかけは階段の昇降時、急激な運動時、ベッドやソファーからの飛び降り時など、患部に大きな力が加わることが起因となって発症し、背部(背骨)の圧痛、ビッコや後躯(後肢)の麻痺などの症状を呈します。


  診断は単純のレントゲン撮影で概ね可能です。発症を予知することもこのレントゲン像の読影から可能です。


  発症年齢は椎間板ヘルニアが5歳前後から、特にダックスフントで多発します。その他の変形性脊椎症や変形性骨関節疾患などはヒトと同じように年金受給年齢前後から多くみられるようになります。ペットの年金受給年齢は、5kg前後の小型犬や猫が12歳位、10kg前後の中型犬が10歳位、20kg前後の大型犬が8歳位と考えられています。ダックスフントは4〜5歳までに少なくとも1回は、その他では年金受給年齢の1〜2年前にはレントゲン撮影の健・検診を受けましょう。


  大切な事は、発症予兆の有無を知ることで予防の方策を取ることです。それには、体重のコントロールや運動制限、生活や行動様式(パターン)の改善、軟骨再生に効果のあるサプリメントの服用などがあり、意外に簡単なものです。

固定リンク | 2007年07月14日【3】

感染阻止の黄金時間

 ペットのケンカ傷=咬傷は日常茶飯事の疾患です。特にネコで多く見られます。外に出すネコは縄張り争いのため、特に発情している時期に多発します。ネコの皮膚は強靭なため、皮膚の表面は大したことでなくとも、皮下組織や筋肉は裂傷や部分断裂をはじめ甚大な損傷を惹き起こしていることが少なくありません。後者の方が多いくらいです。稀には胸腔内や(皮質)骨の内部である骨髄まで犬歯や爪が侵入する場合もあり、生死にかかわる膿胸や骨髄炎を罹患します。
 ケンカなどによる感染症の場合、細菌が体内に入って6〜8時間内に傷の洗滌を行い、抗生物質の投与を実施すれば、かなりの確率で感染の成立を抑えることが可能です。この最初の6〜8時間は体内に入った細菌数が感染を成立させ得るに足る増殖に至る前の段階であり、この時間帯を感染阻止の”黄金期”と言います。傷口が大きければ洗滌後に皮膚の縫合やドレインの設置が必要となります。
 ペットを外に出さないことやリーシュを放さないことでケンカの機会を無くすことが重要です。止むを得ず受傷した場合には動物病院に出来るだけ早く連れて行くか、病院が開いてない時の為に予め予備の抗生剤を貰っておくことも必要でしょう。
 因みに私が動物に引っ掻かれたり、咬まれたりした場合には、その場で水道の水を流しながら患部を揉むようにして血液を押し出します。これにより患部からの細菌の除去が可能となります。傷口にはアロンアルファを塗布すればとりあえず仕事が続行でき、その後も通常問題なく経過します。

固定リンク | 2007年06月18日【2】

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