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「今週のCT症例」・その37

症例37
14歳 猫
1ヶ月前に左下顎の腫瘤に気付き他院にて治療中であり、扁平上皮癌と診断されている。手術の是非を検討するため、CT検査を含めたセカンドオピニオンを希望して当院を受診。
現在、食事は可能だが、腫瘤による痛みがある状態。
CT検査では左下顎体部に腫瘤病変を確認。リンパ節への転移等は認められなかったため、外科的に切除することは可能と判断された。(腫瘤の位置を飼い主様にも分かりやすくするために立体像を画像処理で作成している。)
しかし頭部CT検査では、脳腫瘍を疑うような影(画像所見)も確認された。一般的には猫の扁平上皮癌の脳への遠隔転移は起こりにくいとされていることから、猫でよく見られる髄膜腫などを疑う。(造影剤を使用して撮影することで病変が分かりやすくなる。)
現段階において頭部CTの異常画像に因る神経症状は見られないが、今後は意識障害や痙攣発作等が発現する可能性もあるため、手術をすべきかは慎重に判断すべきと思われた症例である。このように手術前にCT検査を実施することは非常に有用である。


固定リンク | 2021年10月13日【461】

レプトスピラ症に注意!

レプトスピラ症の犬(宮崎市内で飼われている犬)が来院しました。
レプトスピラ症は人獣共通感染症で、衛生環境向上や犬のレプトスピラワクチン普及により、人も犬もその罹患数はかなり減少しましたが、現在も時折発生しています。国内の人での感染が2019年で32例報告されています。

※素足で農作業をしていた時代(〜昭和)、田畑の野良仕事で人の足や腕の傷からレプトスピラ菌が侵入して発症していました。また、台風の影響で溝(どぶ)が埋まり、住処を失った鼠が地表に現れ、保菌のレプトスピラ菌を排泄し、それに接触した人が罹患した報告もあります。さらには、レプトスピラ症で入院した犬の世話で獣医師が感染した事例もあります。
※つい最近までは、猟犬が野山の鼠の尿から感染し、その感染した猟犬の排尿によってレプトスピラ菌が巷に撒き散らされ、ペットの犬に伝染することも珍しくありませんでした。

病原体
スピロヘータ目レプトスピラ科のグラム陰性細菌で、250以上の血清型に分類されます。病原性レプトスピラは保菌動物(げっ歯類など野生動物)の腎臓に保菌され、尿中に排菌されます。人や動物が保菌動物の尿や尿で汚染された水や土と接触する際に、皮膚の傷から感染します。汚染された水を飲水することによる経口感染の報告もあります。レプトスピラ菌は、無症候犬の尿からも排泄されます。さらにはレプトスピラ症の治癒した犬からも一定期間、尿からの病原体の排泄が認められます。
感染経路は、主にレプトスピラ菌に汚染された水や土壌を介した経皮感染です

症状
犬:黄疸、元気食欲低下、発熱、嘔吐など
  重症では腎不全や出血傾向
  ※症状を示さない不顕性感染もあるが発症すると致死率が高い
人:風邪のような症状を示す軽症型から黄疸、出血、腎障害を伴う重症型(ワイル病)まで多彩な症状を示す

診断
・病原体の分離
レプトスピラ専用の培地に検体を入れ、培養する。培養後暗視野顕微鏡でレプトスピラを観察する。しかし、増えるまでに時間がかかる。
・PCR検査
レプトスピラの遺伝子を検出する。
・MAT法(顕微鏡下凝集試験)
診断と血清型の判別に有効。ワクチン接種による抗体も検出してしまうためペア血清を用いた検査(1週間程度間隔をあけて2回検査する)を行う必要がある。
彼の野口英世がウイルス感染症の黄熱病をワイル病と誤認したように、光学顕微鏡によるレプトスピラ菌の検出は極めて困難です。現在では、PCR検査が主流のようです。感染の初期は血液での、その後は尿のPCR検査で診断されます。本症例では、血液と尿を採取し、はじめの血液のPCR検査で陽性となりました。光学顕微鏡によるウイルスの検出は不可能です。レプトスピラ菌が光学顕微鏡で容易に検出できれるのであれば、野口英世が黄熱病とワイル病を間違えることはなかったでしょう。当時、電子顕微鏡は存在していません。

 最近、人気のキャンプなど水辺のレジャーに愛犬を連れて行くという方も多いのではないでしょうか? 野外(散歩を含む)に犬を連れ出すことは、レプトスピラ症感染のリスクを高めます。レプトスピラ症は決して過去の病気ではありません。
犬のレプトスピラ症はワクチン接種で予防できる病気ですが、ワクチンの種類によってはレプトスピラが含まれていないものもあります。また、レプトスピラ症のワクチンの効果は1年未満で、年1回の追加接種が必要です。愛犬のワクチン接種歴を確認しましょう!


固定リンク | 2021年09月09日【460】

「今週のCT症例」・その36

症例36
7歳 ミニチュアダックスフンド
狂犬病ワクチン接種での来院時、肛門の右側に腫瘤が見つかる。
先ず麻酔下でツルーカット針にて生検を行い、病理組織検査で肛門嚢アポクリン腺癌と診断された。
次いで手術の是非と可否を検討するためCT検査を実施した結果、附属リンパ節や肝臓、肺などへの転移は認められなかったため、一部の直腸と一部の肛門括約筋を含めて腫瘍を摘出した。

固定リンク | 2021年07月16日【459】

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